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「死んだんですか?」
房一は急いで膿盆をひきよせた。
傷は三箇所を縫つた。
ところが、徳次はぽかんとした表情を浮かべたきりだつた。
傍にいた赭あから顔の老人が低い声で云つた。
と、ゆつくりはじめた。
「さう、カワラケ、カワラケ云ひなさんな」
「ハッパもいゝが、近頃は土方がいたづらをするとか云うて、女の子が下の方を恐はがつて通らんていふぢやないかね」
「かりに、おれが真正面から反抗的に出て、それがために住みにくくなつたとしても、同じことだ」
「何んにも訊かんといて下さい。ちよつと間違ひが起きたんやで、――それは、後でお話しますわ――とにかく、手当を頼みます」
「おい、早く早く」
「うん、行くよ。――だが、夕方でいゝだらう」